Buffet Cramponのクラリネットのラインナップの1つ、E12Fの紹介をします。

Buffet Cramponとは?

Buffet Crampon(ビュッフェ・クランポン)200年近い歴史を持つフランスの楽器メーカーです。
世界中でプロの演奏家のみならずアマチュア演奏家にも愛用されており、ベーム式クラリネットのシェアNo.1ではないでしょうか。

【品質の高さ】と【プロフェッショナル・モデルからスチューデント・モデルまでの幅広いラインナップ】、【各機種の個性の強さ】が強みと言えるでしょう。
きっとあなたの条件・好みに合ったモデルがあるでしょう。

Buffet Cramponのクラリネット

E11
E12F
E13
C13

TRADITION
R13
RC
PRESTIGE
VINTAGE
FESTIVAL
TOSCA
DIVINE
LÉGENDE
TRADITION
GALA    
 

青字:スチューデント・モデル  赤字:プロフェッショナル・モデル

E12F

スチューデント・モデルの中でも低価格を意識したモデル。
Buffet Cramponの現在のラインナップでは2番目に価格の安い楽器。

◎管体

アフリカ産グラナディラが使用されています。
Buffet Cramponでは楽器に使用するグラナディラを「アフリカ産グラナディラ」「アフリカ産上質グラナディラ」「アフリカ産再上質グラナディラ」の3つにランク分けをしています。
E12Fに使われているのは最もランクの低い「アフリカ産グラナディラ」なのですが、それでもクラリネットの管体としては充分な品質です。
「アフリカ産上質グラナディラ」「アフリカ産再上質グラナディラ」と比べれば劣るのは事実ですが、他メーカーの仕様を見てみると安価なモデルのクラリネットではグラナディラを使用していない樹脂製のものもあります。
樹脂製のクラリネットにも気温や湿気に強く割れることがないなどのメリットはあるのですが、音質という意味では確実にグラナディラ(あるいは他の木材)に劣ります。
なので、「Buffet Cramponは安いモデルでもグラナディラが使われており、良い音が出せる」と捉えていただくのが良いかと思います。

◎キーとリング

6リング/17キー
Buffet Cramponは全てのクラリネットが6リングです。
安価なモデルだからといって他より劣ることはありません。
キーは17キーと、Buffet Cramponのクラリネットの中では最も少ない仕様です。
こう聞くと安価モデル故のデメリットのように感じるかもしれませんが、プロフェッショナル・モデルのR13、RCも17キーです。
17キーはベーム式クラリネットの標準的なキーの数です。
必要最低限のキーは備わっているので構造上は全く問題ありません。
おまけが付いていないだけです。

洋銀製・銀めっき
Buffet Cramponは全てのクラリネットがこの仕様(金めっきの特別モデルを除く)です。
キーの加工方法に冷間鍛造というものがあり、寸法精度が高くなる、表面の仕上がりが綺麗になる、強度が上がるといったメリットがあります。
Buffet Cramponの最安価のモデルであるE11のキーは冷間鍛造ではないのですが、このE12Fは冷間鍛造で加工されています

◎指かけ

調整可能指かけ
機種によって使われている指かけは異なるのですが、Buffet Cramponの全てのクラリネットが調整可能指かけです。
右手親指の位置を自分に合った場所に調整可能です。

E12Fではリング付きの指かけが使われており、このリングはストラップ用です。
(ストラップは付属しません。)

【補足】
E11というモデルでもリング付きの指かけが採用されていますが、E11のリングはストラップ用ではないので注意してください。

◎接合部

Buffet Cramponでは一部の機種で接合部補強リングが採用されていますが、E12Fでは採用されていません
木材がむき出しになっているので組み立てや解体の際に丁寧に扱いましょうね。
また、接合部補強リングが無いと湿気による木材の膨張により楽器が入らない(抜けない)というアクシデントが発生することがあります
こうなった場合は無理矢理なんとかしようとせず、すぐに楽器屋さんに持って行って下さい。

◎バレル

上位機種には2本のバレルが付いているものもありますが、E12Fは1本のみです。

どんな人にお奨め?

実勢価格は20万円弱。
「なるべく安いもの、でも安物買いの銭失いはしたくない。」「高級な楽器は手が出せない。でも安かろう悪かろうの楽器は嫌。」という人は安心安全の大手メーカーBuffet Cramponの楽器ということで間違いない買い物になると思います。
よくわからないメーカーの楽器を買うくらいならこっち。
とはいえ、やはり下から2番目のランクの機種なのでBuffet Cramponの他の機種と比べると「値段相応のクオリティ」であるのは事実です。
将来的には高級モデルに乗り換える前提で「とりあえず今は」という位置づけがよいと思います。
E11という、もうワンランク下のモデルもありますが、「少しの上乗せでグレードが上がるのなら」という考え方ができる範囲の予算でしたらケチらずにこちらを選ぶ方がよいと思います。
あくまでも私の体感ですが、「E12Fは常時在庫がありますが、E11は取り寄せになります」というお店が多いようです。
「できることならE12Fを買ってほしい」という、お店からのメッセージかもしれませんね。