Buffet Cramponのクラリネットのラインナップの1つ、E13の紹介をします。
Buffet Cramponとは?
Buffet Crampon(ビュッフェ・クランポン)200年近い歴史を持つフランスの楽器メーカーです。
世界中でプロの演奏家のみならずアマチュア演奏家にも愛用されており、ベーム式クラリネットのシェアNo.1ではないでしょうか。
【品質の高さ】と【プロフェッショナル・モデルからスチューデント・モデルまでの幅広いラインナップ】、【各機種の個性の強さ】が強みと言えるでしょう。
きっとあなたの条件・好みに合ったモデルがあるはずです。
Buffet Cramponのクラリネット
E11
E12F
E13
C13
GALA
R13
RC
VINTAGE
TRADITION
PRESTIGE
FESTIVAL
TOSCA
LÉGENDE
DIVINE
青字:スチューデント・モデル 赤字:プロフェッショナル・モデル
(2021.11 現在)
E13
スチューデント・モデルの中でもコストパフォーマンスに優れたモデル。
Buffet Cramponの現在のラインナップでは3番目に価格の安い楽器。
スチューデント・モデルの中で唯一A管クラリネットのラインナップがあるのが特徴。
◎管体
アフリカ産グラナディラが使用されています。
Buffet Cramponでは楽器に使用するグラナディラを「アフリカ産グラナディラ」「アフリカ産上質グラナディラ」「アフリカ産再上質グラナディラ」の3つにランク分けをしています。
E13に使われているのは最もランクの低い「アフリカ産グラナディラ」なのですが、それでもクラリネットの管体としては充分な品質です。
「アフリカ産上質グラナディラ」「アフリカ産再上質グラナディラ」と比べれば劣るのは事実ですが、他メーカーの仕様を見てみると安価なモデルのクラリネットではグラナディラを使用していない樹脂製のものもあります。
樹脂製のクラリネットにも気温や湿気に強く割れることがないなどのメリットはあるのですが、音質という意味では確実にグラナディラ(あるいは他の木材)に劣ります。
なので、「Buffet Cramponは安いモデルでもグラナディラが使われており、良い音が出せる」と捉えていただくのが良いかと思います。
◎キーとリング
6リング/17キー
Buffet Cramponは全てのクラリネットが6リングです。
安価なモデルだからといって他より劣ることはありません。
キーは17キーと、Buffet Cramponのクラリネットの中では最も少ない仕様です。
こう聞くと安価モデル故のデメリットのように感じるかもしれませんが、プロフェッショナル・モデルのGALA、R13、RCも17キーです。
17キーはベーム式クラリネットの標準的なキーの数です。
必要最低限のキーは備わっているので構造上は全く問題ありません。
おまけが付いていないだけです。
洋銀製・銀めっき
Buffet Cramponは全てのクラリネットがこの仕様(金めっきの特別モデルを除く)です。
また、キーの加工方法に冷間鍛造というものがあり、寸法精度が高くなる、表面の仕上がりが綺麗になる、強度が上がるといったメリットがあります。
Buffet Cramponの最安価のモデルであるE11のキーは冷間鍛造ではないのですが、このE13は冷間鍛造で加工されています。
◎指かけ
調整可能指かけ
機種によって使われている指かけは異なるのですが、Buffet Cramponの全てのクラリネットが調整可能指かけです。
右手親指の位置を自分に合った場所に調整可能です。
E13ではリング付きの指かけが使われていますが、このリングはストラップ用ではないので注意してください。
ストラップによる負荷は考慮されていないので、ストラップをこのリングに引掛けて使用すると折れやすくなります。
◎接合部
Buffet Cramponでは一部の機種で接合部補強リングが採用されていますが、E13では採用されていません。
木材がむき出しになっているので組み立てや解体の際に丁寧に扱いましょうね。
また、接合部補強リングが無いと湿気による木材の膨張により楽器が入らない(抜けない)というアクシデントが発生することがあります。
こうなった場合は無理矢理なんとかしようとせず、すぐに楽器屋さんに持って行って下さい。
◎バレル
上位機種には2本のバレルが付いているものもありますが、E13は1本のみです。
どんな人にお奨め?
実勢価格は25万円~30万円程度。
「高級な楽器は手が出せない。でも安かろう悪かろうの楽器は嫌。」という人は安心安全の大手メーカーBuffet Cramponの楽器ということで間違いない買い物になると思います。
また、この楽器の最大の特徴はA管のラインナップです。
オーケストラや室内楽ではA管のクラリネットは多様されます。
「プロフェッショナル・モデルは必要ない」という人にとってはA管の選択肢はほぼなく、こちらを使用することになるでしょう。
(プロフェッショナル・モデルのA管を中古で安く買うという選択肢もありますが、今は新品を買うという前提で・・・)
B♭管とA管は機種を揃えたいという人も多いと思いますので、「A管をE13にするからからB♭管もE13」。
この選択肢は充分ありだと思います。
E11、E12Fと比べると吹奏感もかなりプロフェッショナル・モデルのそれに近くなっています。
オーケストラや室内楽をやりたいけど、高価な楽器を2本も揃えるのは金銭的に厳しい・・・
という人にオススメの機種です。
(もちろん吹奏楽でも!!)