Buffet Cramponのクラリネットのラインナップの1つ、RCの紹介をします。
Buffet Cramponとは?
Buffet Crampon(ビュッフェ・クランポン)200年近い歴史を持つフランスの楽器メーカーです。
世界中でプロの演奏家のみならずアマチュア演奏家にも愛用されており、ベーム式クラリネットのシェアNo.1ではないでしょうか。
【品質の高さ】と【プロフェッショナル・モデルからスチューデント・モデルまでの幅広いラインナップ】、【各機種の個性の強さ】が強みと言えるでしょう。
きっとあなたの条件・好みに合ったモデルがあるはずです。
Buffet Cramponのクラリネット
E11
E12F
E13
C13
GALA
R13
RC
VINTAGE
TRADITION
PRESTIGE
FESTIVAL
TOSCA
LÉGENDE
DIVINE
BCXXI
青字:スチューデント・モデル 赤字:プロフェッショナル・モデル
(2022.5 現在)
RC
プロフェッショナル・モデル。
プロフェッシヨナル・モデルはその構造によって「○○系」とグループ分けされるが、そのうちの1つが「RC系」であり、「RC系」のクラリネットのベースとなるモデルです。
◎管体
アフリカ産上質グラナディラが使用されています。
Buffet Cramponでは楽器に使用するグラナディラを「アフリカ産グラナディラ」「アフリカ産上質グラナディラ」「アフリカ産最上質グラナディラ」の3つにランク分けをしています。
スチューデント・モデルは全て「アフリカ産グラナディラ」が使われているのでが、この楽器はワンランク上の品質の管体ということになります。
RCにはグリーンラインを使用したモデルもあります。
「RC GL」「RC(グリーンライン)」などと書かれていればそのモデルです。
グリーンラインとは、粉末状にしたグラナディラにカーボンなどの素材を配合して作成した Buffet Crampon 独自の素材で、湿度や気温による影響を受けにくいという特徴があります。
管体が木の木管楽器は、冬は特に乾燥と寒さによる割れが心配です。
その心配が無くなるのはありがたいものです。
ですが、外部からの衝撃に弱いという欠点もあり、落としたりすると最悪のケースでは粉々に砕けるということも・・・
また、グラナディラとグリーンラインでは吹奏感も異なりますので、メリットやデメリットだけにとらわれず、好みに合うかどうか実際に試奏して決めることをお勧めします。
◎キーとリング
6リング/17キー
Buffet Cramponは全てのクラリネットが6リングです。
安価なモデルだからといって他より劣ることはありません。
キーは17キーと、Buffet Cramponのクラリネットの中では最も少ない仕様です。
17キーはベーム式クラリネットの標準的なキーの数です。
当然ですが、必要最低限のキーは備わっているので構造上は全く問題ありません。
おまけが付いていないだけです。
洋銀製・銀めっき
Buffet Cramponは全てのクラリネットがこの仕様です。(RCには金めっきの特別モデルもあります)
また、キーの加工方法に冷間鍛造というものがあり、寸法精度が高くなる、表面の仕上がりが綺麗になる、強度が上がるといったメリットがあります。
Buffet Cramponの安価なモデルであるE11などのキーは冷間鍛造ではないのですが、このRCは冷間鍛造で加工されています。
◎指かけ
調整可能指かけ
機種によって使われている指かけは異なるのですが、Buffet Cramponの全てのクラリネットが調整可能指かけです。
右手親指の位置を自分に合った場所に調整可能です。
また、RCの指かけにはストラップ用のリングは付いていません。
ストラップを使用する際は対応したアタッチメントとセットで使用しましょう。
◎接合部
Buffet Cramponのクラリネットでは一部の機種で接合部補強リングが採用されていますが、RCでは採用されていません。
木材がむき出しになっているので組み立てや解体の際に丁寧に扱いましょう。
また、接合部補強リングが無いと湿気による木材の膨張により楽器が入らない(抜けない)というアクシデントが発生することがあります。
こうなった場合は無理矢理なんとかしようとせず、すぐに楽器屋さんに持って行って下さい。
◎バレル
RCには標準で2本のバレルが付いています。
66mmと65mmのバレルが付属しており、バレルの構造は同じなので基本的には吹奏感や音色には変化はありません。
ピッチの状況に合わせて使い分けましょう。
どんな人にお奨め?
実勢価格は45万円前後です。
プロフェッショナル・モデルの中では低価格帯のものですが、プロ・アマチュア問わず人気のモデルで使用者が多い楽器だと思います。
ランクや価格が同等であることからR13とRCで選択を悩まれる方が多く、同時にこの2機種を比較した話が楽器店関係者やクラリネット吹きの口からよく出ます。
R13は明るく華やかな音。
RCは暖かく深い音。
という風に語られることが多いようですが、私も同じ感想です。
実際に吹き比べてみるとその違いはよく分かると思います。
アマチュアだけど・・・いい楽器が欲しい!
学生だけど・・・いい楽器が欲しい!
初心者だけど・・・いい楽器が欲しい!
これより上位の機種はかなりの高額になりまので(RCも既に充分高額ですが・・・)、そういった方はR13かRCで自分の好みに合う方を選ぶと間違いないと思います。