Buffet Cramponのクラリネットのラインナップの1つ、TOSCAの紹介をします。
Buffet Cramponとは?
Buffet Crampon(ビュッフェ・クランポン)200年近い歴史を持つフランスの楽器メーカーです。
世界中でプロの演奏家のみならずアマチュア演奏家にも愛用されており、ベーム式クラリネットのシェアNo.1ではないでしょうか。
【品質の高さ】と【プロフェッショナル・モデルからスチューデント・モデルまでの幅広いラインナップ】、【各機種の個性の強さ】が強みと言えるでしょう。
きっとあなたの条件・好みに合ったモデルがあるはずです。
Buffet CramponのB♭/Aクラリネット
E11
E12F
E13
GALA
R13
RC
TRADITION
PRESTIGE
FESTIVAL
TOSCA
LÉGENDE
DIVINE
BCXXI
青字:スチューデント・モデル 赤字:プロフェッショナル・モデル
(2022.4 現在)
TOSCA
プロフェッショナル・モデル。
R13系統の最上位機種であり、力強いながらもまとまった丸い音、色彩の豊かさが特徴。
◎管体
アフリカ産最上質グラナディラが使用されています。
Buffet Cramponでは楽器に使用するグラナディラを「アフリカ産グラナディラ」「アフリカ産上質グラナディラ」「アフリカ産最上質グラナディラ」の3つにランク分けをしています。
GALAを除く全てのプロフェッショナル・モデルでは上質グラナディラ以上が使われているのですが、この楽器はその中でも特に良いグラナディラが使用されています。
TOSCAにはグリーンラインを使用したモデルもあります。
「TOSCA GL」「TOSCA(グリーンライン)」などと書かれていればそのモデルです。
グリーンラインとは、粉末状にしたグラナディラにカーボンなどの素材を配合して作成した Buffet Crampon 独自の素材で、湿度や気温による影響を受けにくいという特徴があります。
管体が木の木管楽器は、冬は特に乾燥と寒さによる割れが心配です。
その心配が無くなるのはありがたいものです。
ですが、外部からの衝撃に弱いという欠点もあり、落としたり強い衝撃を与えると最悪のケースでは粉々に砕けるということも・・・
また、グラナディラとグリーンラインでは吹奏感も異なりますので、メリットやデメリットだけにとらわれず、好みに合うかどうか実際に試奏して決めることをお勧めします。
◎キーとリング
6リング/19キー
Buffet Cramponは全てのクラリネットが6リングです。
キーは19キーとBuffet Cramponのクラリネットの中では最も多い仕様です。
本来右手の小指で押さえる低音のソ#/ラ♭およびチューニングB♭の上のレ# /ミ♭を左手小指で鳴らすためのキー、低音のファの音程を補正するLow Fコレクションキーの2つのキーを備えています。
洋銀製・銀めっき
Buffet Cramponは全てのクラリネットがこの仕様です。
また、キーの加工方法に冷間鍛造というものがあり、寸法精度が高くなる、表面の仕上がりが綺麗になる、強度が上がるといったメリットがあります。
Buffet Cramponの安価なモデルであるE11などのキーは冷間鍛造ではないのですが、このTOSCAは冷間鍛造で加工されています。
◎指かけ
調整可能指かけ
機種によって使われている指かけは異なるのですが、Buffet Cramponの全てのクラリネットが調整可能指かけです。
右手親指の位置を自分に合った場所に調整可能です。
また、TOSCAの指かけにはストラップ用のリングは付いていません。
ストラップを使用する際は対応したアタッチメントとセットで使用しましょう。
◎接合部
Buffet Cramponのクラリネットでは一部の機種で接合部補強リングが採用されており、TOSCAでも採用されています。(ただし、グリーンライン使用モデルは接合部補強リングなし)
これにより湿気による木材の膨張により楽器が入らない(抜けない)というアクシデントがなくなります。
組み立て時にぶつけて欠けてしまうという事故も防ぐことができますね。
◎バレル
TOSCAには標準で2本のバレルが付いています。
66mmと65mmのバレルが付属しており、バレルの構造は同じなので基本的には吹奏感や音色には変化はありません。(A管は65mmと64mm)
ピッチの状況に合わせて使い分けましょう。
どんな人にお奨め?
B♭管の実勢価格は約100万円です。
R13の上位機種であるFESTIVALと比べて約20万円高くなっております。
R13と比べると2倍強という価格。
力強い鳴りの楽器が好きだが、音が荒々しくなるのは嫌だ・・・という人にとってピッタリの楽器です。
また、非常に柔軟性のある楽器ですので、好みや価値観が多少変わっても使い続けることができると思います。
「長く続けたいので多少値が張っても良いものが欲しい。自分の好みの音とかはまだわからないからこれから見つけていく。」という状況でもこの楽器を買っておけば後悔することは無いでしょう。